<W杯アジア最終予選:日本1-2ヨルダン>◇B組◇26日◇ヨルダン・アンマン、キング・アブドラ国際スタジアム

 ザックジャパン守備陣が崩壊した。W杯アジア3次予選、最終予選合わせ、12試合目で初の2失点。最終予選ではここまで5試合で最少の2失点と堅守を誇っていたが、敵地アンマンで守備にほころびが出てしまった。ボール支配率ではヨルダンに勝りながら、セットプレーとカウンターという日本の弱点を突かれた。

 W杯アジア最終予選では、これまで相手に先制点を許したことは1度もなかった。だが、前半終了間際のロスタイム。相手にCKを与えると、FW岡崎がゴール前でマークを振り切られ、MFバニアテヤにヘッドで先制点を献上。嫌な流れで前半を終えた。

 そして後半15分。敵陣でボールを奪われると、カウンターからFWハイルに日本の左サイドをえぐられ、負傷のDF長友に代わって左サイドバックに入ったDF酒井高、DF吉田が次々にマークを振り切られ、2点目のゴールを献上。ヨルダンの大胆なドリブル突破を許したDF今野泰幸(30=G大阪)は「力不足、準備はしていたけど力を出せなかった」と、ショックを受けていた。最終予選初黒星を喫し、W杯出場決定は6月4日のオーストラリア戦以降へと持ち越しとなった。

 決して恵まれた環境ではなかった。土は硬く、芝もデコボコでボールが不規則に弾むピッチは、日本の守備陣にとって慎重にならざるを得なかった。だが、その中で積極的に個人技を仕掛けてくるヨルダン攻撃陣を封じることはできなかった。

 主将MF長谷部誠(29=ウォルフスブルク)は「難しい雰囲気だった。非常に残念。ちょっと間は空くが、次ホームで勝てば(W杯出場を)決められる。次のゲームで決めたい」と言った。残り2試合。チームとして守備のほころびを修正し直し、W杯出場権をつかみ取るしかない。