【マスカット26日=木下淳】2018年W杯ロシア大会のアジア予選の方式が、抜本的に変更されることが濃厚となった。アジア・サッカー連盟(AFC)の競技委員会が25日に開催され、ロシア大会のアジア予選が1次予選、最終予選の「2段階」になると同時に19年アジア杯予選も兼ねる新方式になる案が出された。4月のAFC理事会で承認される見通し。1次から最終まで「4段階」方式だった14年ブラジル大会の予選から、大きな改革になる。

 AFC競技委員会で提出された「改革案」によると、W杯アジア予選はこれまでよりシンプルになる。1次予選は出場国が8組に分かれ、各組1位と、2位8カ国のうち成績上位4カ国の計12カ国が、最終予選に進む。重視されたのは、1次予選がアジア杯予選を兼ねる点。19年アジア杯から、出場国は8カ国増の24カ国になる。このため、W杯アジア1次予選の各組3位以上の計24カ国にアジア杯出場権が与えられる。

 14年W杯ブラジル大会のアジア予選は1次、2次と格下の国々が予選を行って、3次予選から日本などの強国が登場した。最終予選を経てW杯出場国を決めた。だが、次回大会からは「2段階」の予選になる方向だ。

 競技委員会で議題に挙がったのは、W杯出場を決めた国が、その後1年の国際Aマッチデーをアジア杯予選に費やされるという問題の解消だった。アジア杯は3位以上に入った国に次回大会のシード権が与えられるが、4位以下はアジア杯予選を戦う。その予選は、W杯出場決定後の国際Aマッチデーで開催されることがほとんどだった。

 本来、W杯出場国は、本大会までの国際Aマッチデーで欧州や南米の強国と親善試合を組み強化を図りたいところだが、アジア杯予選を組まれると「アジアレベル」との対戦経験しか積めない。W杯ブラジル大会に出場するイラン、10年南アフリカ大会に出場した岡田ジャパンが同じ状況下におかれ、悩まされた過去があった。

 そのため、昨年9月のAFC会議でアジアの強国が意見を出し合い、W杯最終予選に進出した国は自動的にアジア杯の出場権も得られる案が浮上。これならW杯出場決定後の国際Aマッチデーでアジア杯予選を戦う必要がなくなり、万全の強化を行うことができる。これらの改革案は、W杯でアジア勢が躍進するための下地になる。