日本は死んでいない!

 日本代表のハビエル・アギーレ監督(56)が、八百長疑惑やアジア杯早期敗退を吹き飛ばすかのような強いメッセージを口にした。アジア杯準々決勝で敗れた日本代表は25日、成田空港着の航空機で帰国した。スペインでは八百長疑惑による告発状が受理と報道されている問題で、仮に受理が確認された場合、アギーレ監督は本格的な捜査対象となる。そんな状況の中で指揮官は「日本がこれで死んだと思われてはいけない。今後もしっかり戦っていく」と宣言した。

 八百長疑惑も、アジア杯早期敗退も、全く気にするそぶりを見せなかった。それどころか、むしろ強気にさえ思えた。アギーレ監督は「日本がこれで死んだと思われてはいけない。しっかり生きているし、今後もしっかり戦います。これからもチームを成長させ続けたい」と宣言した。

 当然、結果には満足していない。だが「結果に対し、悲しみを感じている。決勝まで進み勝つことを目指していた。このチームは4試合とも相手を上回っていたが、不運にも(準々決勝UAE戦で)PK戦で負けた。この戦い方を続ければ、勝利が敗戦より多くなる」と自信さえ示した。

 八百長疑惑の告発状がバレンシア裁判所にいつ受理されるか分からない状況。結果も出せなかったが、日本協会の大仁会長は「今のままだと」という条件付きの続投を明言。指揮官も「大仁会長の支持の言葉に感謝したい。サッカーをご存じの方は、(アジア杯の)4試合を通じて見てくれている」と言い切った。

 近日中に休暇のために息子たちが暮らすスペイン、メキシコに戻る予定。常に告発状受理、そして本格的な捜査開始という状況に陥る可能性を秘める。そうなれば日本協会も対応に動くが、アギーレ監督自身は「まだ私にも私の弁護士にも正式なものは届いていない。正式な通達があれば(顧問弁護士との話し合いを)行うが、メディアに出ている現状だけでは私の方から動く必要はない」と泰然自若としている。

 6月に始まる18年W杯ロシア大会アジア1次予選に向け、3月下旬には親善試合2試合を控える。「今季のJリーグも始まるし、若い選手も呼んでチームをリフレッシュしていきたい。4月の組み合わせ抽選の結果を見て、6月からの予選をしっかり戦っていきたい」と、今後のチームづくりのイメージも明かした。

 UAE戦敗退後、選手にも強いメッセージを送った。「このチームは機能している。それに対して誇りを感じている。この試合を続けていけば、負けより勝ちが多くなる。この敗戦からみんなが学び、しっかり将来に向けて進んでいこう」。自身の状況は流動的だが、その言葉には不思議なほどの、確信めいた思いが込められていた。【菅家大輔】