大阪に五輪がやってくる! 日本協会最高顧問の川淵三郎氏(78)が10日、大阪・吹田市の万博記念公園に完成したG大阪の新本拠地「市立吹田サッカースタジアム」が、20年東京五輪のサッカー会場に内定したと明かした。建設募金団体の理事として、竣工(しゅんこう)式のあいさつに立ち「このスタジアムは会場に内諾されている」と100人を超える出席者の前でポロリ。ミスに気付いた川淵氏は「メディアのみなさんは書かないで下さい」とあわててフォローした。

 東京五輪のサッカーは国内の複数会場で実施する予定で、大阪も立候補していた。候補は9会場だが、G大阪の新本拠地は西日本で唯一の4万人規模のサッカー専用スタジアムとして有力視されていた。「川淵流ポロリ」という、まさかの形で朗報を受けた吹田市の関係者は「バンザイ!」と大はしゃぎで、G大阪の野呂輝久社長(61)も「大阪でいろんな国際大会をしたい」と歓迎した。

 新スタジアムは企業や個人の寄付金、助成金など約140億円で建設。タッチラインから観客席最前列まで約7メートルという臨場感が売りで、竣工式ではサポーター4394人も参加し、観客席に座って完成を喜んだ。

 ◆川淵氏のポロリ 06年W杯ドイツ大会の総括会見で、退任する当時の日本代表ジーコ監督の後任について「総監督として『オシム』が、あっ、オシムと言っちゃったね…」と口を滑らせた。千葉(当時J1)のイビチャ・オシム監督と交渉中だと漏らしてしまい、会見を中断。関係者に確認を取ってから、オシム氏に一本化にしたと正式表明した。当時の肩書は日本協会キャプテン。

 ◆東京五輪のサッカー会場 9会場が候補。招致段階の計画では、新国立競技場のほか札幌ドーム(札幌市)、ひとめぼれスタジアム宮城(宮城県利府町)、埼玉スタジアム(さいたま市)、味の素スタジアム(東京都調布市)、日産スタジアム(横浜市)で実施するとしていた。今年5月、日本協会がカシマスタジアム(茨城県鹿嶋市)と豊田スタジアム(愛知県豊田市)、市立吹田サッカースタジアムを大会組織委員会に追加要請した。