オークランドの日本人左サイドバック岩田卓也(32)は最後まで貪欲だった。試合開始からマッチアップしたMF柏にてこずった。「考えながらプレーしましたけど、その上を行かれた」。突破を許し、好クロスも上げられた。後半41分には柏と激突し、頭部を負傷。テープでグルグル巻きになった。ユニホームが血で染まり、アマチュアチームで替えもないため、背番号なしの練習用のものでプレーした。

 悔しさがつのる敗戦だったが終了の笛が鳴ると柏のもとへ歩み寄った。「やられた感があったので、どういうプレーがやりにくいかアドバイスをもらった」。ただでは立ち上がらなかった。額を7針縫い、右目の下を黒く腫らして「僕、途中で広島の選手を2人もケガさせてしまったので、しっぺ返しが来たと思ってます」と苦笑した。今後はしばらくチームと別行動で日本で家族とリフレッシュ。英気を養ってニュージーランドでまた暴れ回る。