元Jリーガーが、障がい者サッカー支援に名乗りをあげた。

 日本障がい者サッカー連盟(JIFF)は5日、東京・文京区のJFAハウスでパートナー企業6社との契約を発表。

 エイベックス、クリエイディブヘッズ、城南信用金庫、東京海上日動、三菱商事とともに、Jリーグ清水などでプレーした斉藤浩史氏(45)が社長を務める工業用部品メーカーの株式会社協同も名を連ねた。

 「サッカーに育てられたので、少しでも恩返しができれば」と斉藤社長は話した。JIFFの北沢豪会長(48)とは、日本リーグ時代の読売クラブでともにプレーした仲。ユース代表やバルセロナ五輪予選に臨むU-23代表候補にもなった大型DFは「嫌なタイプの選手だった」と先輩にいじられて「そんなことないですよ」と笑った。

 92年にブラジルのキンゼ・デ・ジャウーに移籍。日本のプロ契約選手が正式な移籍手続きを経て海外でプロ選手になった初のケースだった。サンパウロ州選手権でも活躍したが、Jリーグ開幕直前に清水から誘われて日本復帰。ブランメル仙台(現ベガルタ)で現役を終えた。「ブラジルを含めてサッカーで経験したことは、今の仕事に生きています」。

 日本リーグからJリーグへの激動のサッカー界でプレーし「企業のサポートに助けられた」と話した。だからこそ「今度は自分たちができることをしたい」という。今年4月に7団体を統括するJIFFが誕生。20年東京パラリンピックを控えて、障がい者スポーツへの関心も高まる。「障がい者サッカーの環境は大きく変わっている。Jリーグ誕生前のように」。斉藤社長はチームメートだった北沢会長とともに、3競技の日本代表選手たちをまぶしそうに見つめて話した。