試合前の時点でJリーグ通算12点。内訳は前半8得点、後半4得点。スタミナの持続が課題だった。今季は体力強化に力を注いできた。試合翌日はジョギング中心となる主力組の中で「自分にはこれくらいがいい」と走って息を上げた。走り込みでは、1分間の心拍数が200を超える状態が20分以上続くまで追い込んだ。ピッチの横幅を使ったインターバル走では今やチームのトップ3。得点時のシュートは「疲れていて、正直もう足を振れないんじゃないかと思った」と振り返ったが、いじめ抜いた肉体は、ここ一番で応えてくれた。

 浦和はここ7戦で5敗していた。折り返しとなる一戦で、負ければ09年以来のリーグ4連敗となる厳しい状況だった。殊勲の若武者は「みんなが疲れている中で、個の力で打開できた。自信になる」。試合後のヒーローインタビューを待つ間、両膝に手を置くほど出し切った。努力は裏切らなかった。【岡崎悠利】

 ◆関根貴大(せきね・たかひろ)1995年(平7)4月19日、埼玉県生まれ。中学から浦和の下部組織でプレー、10年のU-16日本代表から各年代の代表経験。ユース時代の13年10月の天皇杯3回戦山形戦でトップデビュー。14年に昇格。同年3月23日の第4節清水戦で後半開始から出場してリーグ戦デビュー。リーグ戦は14年21試合2得点、15年32試合6得点、16年32試合2得点、今季は全16試合出場、3得点。167センチ、61キロ。血液型O。