アルビレックス新潟は今日30日、FC東京とアウェーの味の素スタジアムで対戦する。中断が明けて3週間ぶりに迎えるリーグ戦の再開初戦は、中断期間中にJ2名古屋から移籍してきたMF磯村亮太(26)がボランチでのスタメンが濃厚だ。精度の高いパス、的確な読みで司令塔として期待がかかる。チームは現在6連敗中で最下位の18位。磯村のプレーを土台に、ここで黒星の連鎖を断ち切りたいところだ。

 穏やかな表情の奥に、闘志と意欲をにじませる。「勝てばなんでもいい。いい試合をしても、負けては意味がない」。新潟でのデビュー戦、磯村は強烈に勝ち点3にこだわる。

 試合前日29日のチーム練習は、冒頭のウオーミングアップのみ公開。その後は非公開でプレーのチェックを行った。「起点になるというより、みんなのサポートができれば」。磯村は移籍直前、名古屋ではセンターバックでの出場が多かった。17日に新潟に来てからは、実戦形式の練習で本職のボランチを務める機会が増えた。東京戦も司令塔で起用される可能性が高い。

 「東京の速さは知っている。カウンターにも注意」とイメージはできている。呂比須ワグナー監督(48)は「周囲の選手をよく見ている。正確なボールを出せる」と、卓越したパスワークに期待をかける。

 磯村は新潟にはすっかり溶け込んだ。「みんなよくしてくれます」。名古屋時代から仲がいいDF矢野貴章(33)、名古屋で下部組織のスタッフだった氏原良二・新潟U-15コーチ(36)と、知り合いがいることもプラス材料だ。「食事がうまいですね」。枝豆、魚料理と、お気に入りのご当地グルメもできた。

 だからこそ「このチームのために戦う」と気を引き締める。新潟に来てから、ほぼ午前と午後の2回練習の日々。負荷の高い筋トレ、フルコートでの紅白戦と、名古屋ではあまりなかった内容に「練習はきつかった」と苦笑い。その分、「いい経験ができているし、自分の成長につながる」とも言う。前向きな気持ちを前面に押し出し、チームの勝利を目指す。【斎藤慎一郎】