湘南ベルマーレの曹貴裁監督(48)は、カマタマーレ讃岐戦後の会見で、同戦を終えて残り9試合の状況で首位をキープする中、選手が重圧を感じ始めていることを示唆。

 「エネルギーを持ったプレーが後半、少なかったのは反省点」と評した。

 この日は、前半32分に右ショートCKから、DFアンドレ・バイア(33)の2戦連続ゴールで先制した1点を守りきった。ただ、波状攻撃を繰り返して主導権を握り続けた前半から一転、後半は逆に讃岐にボールを支配され、終盤は自陣ゴール前に押し込まれる苦しい試合となった。シュート数も前半は8対4と圧倒しながら、後半は5対4と讃岐に上をいかれた。

 曹監督は「今、置かれている状況の中で、何も考えずに楽しくサッカーをやれるかと言うと…そういうふうに導き出し、持っていきたいですけど、彼らの中で見えないプレッシャーだったり、勝たなきゃいけないみたいな気持ちが支配している」と、選手の心理状況を分析。その上で「まだまだ我々は、いろいろな顔を見せちゃう。監督としても成長させなきゃという思いでいっぱい」と、波がある戦いぶりの改善を課題に挙げた。

 曹監督の総括を受けて、記者からは「試合後にMF秋野央樹、石川俊輝の両ボランチに試合後、何を話したか?」と質問が飛んだ。曹監督は次のように答えた。

 曹監督 ボランチ2人に言ったのは、勝たないといけないという気持ちが、勝ちたいという気持ちを上回っちゃうと、どうしてもプレーが縮こまってしまう。(ボールを)はっきり持ち出したらいいのに、1タッチで蹴ってしまったりとか、パス交換すればいいのに、アバウトなプレーに終始しちゃう。展開が負けていたら、そういうことは絶対にないんですけど、心理的なことで…もうちょっと、やれないかという話もした。選手が考えていることもあるので、押しつけないように…でも、上のレベルにいったら、ちょっとプア(お粗末)だなという話はしました。

 この日は台風18号の接近により、風雨が強い中で試合が行われ、サポーターもぬれながら声援を送った。曹監督は「明日はJリーグが何試合か、台風のために中止せざるを得ない状況だと試合前に聞いていた。いい天気じゃない中、最低限、勝ち点3をサポーターに届けられたのは、責任感という言葉だけで言うと悪くなかったと思う」と、勝利という結果を前向きに受け止めた。【村上幸将】