リーグ戦とルヴァン杯を合わせて今季3度目の“静岡ダービー”が14日、清水エスパルスのホーム・アイスタで開催される。日刊スポーツ静岡県版では「勝つしかない」と題してジュビロ磐田と清水、両チームの連載を3回に分けて掲載する。第1回は、ケガから復帰を果たした守備の要に注目。藤枝市出身の磐田DF大井健太郎(33)はリーグ3戦ぶりのメンバー入りが有力だ。

 磐田の最終ラインに、頼もしい男が戻って来る。11日、次節アウェー清水戦に向けた磐田ヤマハスタジアムでの調整に、負傷離脱していたゲーム主将のDF大井が完全合流。現在も患部にはテーピングが施されているが「(ダービーに)間に合えばとやってきた。順調です」と強調。約2時間のフルメニューを消化するなど、3戦ぶりの先発へピッチを上げている。

 大井は、9月17日のホーム浦和戦で右半膜様筋(はまくようきん)肉離れした。練習合流まで3~4週間と診断され、2試合を欠場。チームで唯一、開幕から続けていたフルタイム出場が途切れた。「できることなら、1試合でも2試合でも多く出たかった。でも今は、目の前の試合に全力を尽くすことしか考えていない」。悔しさを胸に、今季3度目の静岡ダービーに照準を合わせてきた。

 今季の清水戦は、ルヴァン杯も含めて公式戦2戦2勝。それでも、大井は「前線に良い選手がそろっている」と警戒。その上で「試合になれば、いつも以上に気持ちは高まる。それが気負いにならないように、落ち着いてやりたい」と、静かに闘志を燃やした。

 心は熱く、頭は冷静に-。帰ってきた背番号「3」が、負けられない一戦で勝ち点「3」をもたらす。【前田和哉】