清水エスパルスは今日26日、ホーム最終戦でアルビレックス新潟と対する。リーグ7戦未勝利、5戦無得点だが、引き分け以上でJ1残留が決定する可能性がある。試合後には、今季限りで現役引退するMF杉山浩太(32)のセレモニーを開催。同じ清水下部組織出身のFW北川航也(21)DF犬飼智也(24)をはじめ、選手たちは強い思いでピッチに立つ。

 寒風が吹いた25日の清水三保グラウンド。非公開練習の前に、アップで細かなステップを踏む北川、犬飼の後に杉山が続いた。今日の新潟戦後には、自身の引退セレモニーが行われるが、いつも通りの明るい表情で話した。「今日の練習はとてもいい雰囲気だった。チームとして、新潟に勝利したいです」。

 杉山は常々、「地元のために頑張るのは、地元の選手。生え抜きが頑張らないといけない」と言ってきた。その思いを引き継いでいるのが、同じ清水下部組織出身の北川と犬飼。2人は新潟戦に向けて「浩太さんのために勝ちたい」と声をそろえる。普段の杉山は柔和だが、練習が始まると一気にスイッチが入る。「その姿が印象的」と話す犬飼は、感謝を込めて言った。「気持ちを高ぶらせる要因を作ってくれた。勝って、気持ちよくスピーチしてほしい。本当に勝ちたい」。

 北川は、小学生の頃から杉山のプレーを見ていた。ユース時代はエースとしてチームをけん引していたが、プロ入り後、杉山に「自分の好きなプレーだけではなくて、チームのためを考えて」と言われ、献身的なプレーを心がけるようになったという。「最高の形で送り出したい。勝たないといけない。最後は気持ちだと思います」。

 引き分け以上で、J1残留が決まる可能性はあるが、狙うは勝ち点3。ホーム7戦ぶりの白星を挙げ、杉山の花道をJ1残留決定で飾る。【保坂恭子】

 ◆清水J1残留決定の条件 新潟に勝利し、16位甲府が大宮に引き分け以下、または15位広島が東京に敗れると、残留が決まる。清水が引き分けた場合でも、甲府が負ければ決まる。