ベガルタ仙台のMF野津田岳人(23)が、走り倒して勝ち点3を奪い取る。25日、仙台市泉サッカー場で、今日26日の横浜F・マリノスを迎えてのホーム最終戦へ向け最終調整。ミニゲームではレギュラー組の2シャドーの一角に入り好調をアピールした。21日にJリーグが公表したトラッキングデータ走行距離ランキングでリーグ2位と驚異のデータをたたき出したダイナモが、横浜守備網を突き崩し勝利を呼び込む。

 動きだしたら止まらない。無駄走りもいとわず、前線で動き直し続ける野津田が、DF中沢佑二(39)率いる相手最終ラインを切り裂いてみせる。

 野津田 自分が動いてスペースを空けたり、しっかり戻って守備をすること。ポジショニングを修正しながら常にボールに関わることは意識しています。マリノスには守備の要である中沢さんがいる。高さ、経験値、強さを兼ね備えた実力がある選手ですが、バイタルエリアの部分は空くイメージがある。ボールをはたいて受け直してうまくスペースに走って崩すきっかけをつくれれば。

 「90分間=12キロ」を自身に課した走行距離のバロメーターとしている。前節のホーム大宮戦での走行距離は12・46キロ。新潟時代の先輩である・加藤大(26)のはじき出した13・24キロに次いでリーグ2位と、高い数字を記録した。フリーランニングで相手DFを引きつけFW石原直樹(33)、MF西村拓真(21)とのホットラインでゴールを脅かすつもりだ。

 同期の活躍も刺激になった。広島時代の相棒でブンデスリーガのシュツットガルトに移籍したMF浅野拓磨(23)が24日、移籍後の1部初ゴールを決めた。異国の地ドイツでジャガーポーズを決めた浅野の朗報をSNSで知り、ゴールの意識も高まった。

 野津田 あまり比較してもらいたくはないのですが、一緒のチームで戦ってきて刺激し合う存在。彼がドイツに行って決めたことはうれしかったし、とても刺激になりました。しばらく点を取っていないので、出るからには僕も点を取ってもやもやを晴らしたい。

 10月14日の川崎F戦以来約1カ月ゴールから遠ざかっている。移籍後初ゴールを決めたホーム鳥栖戦では尊敬するFW佐藤寿人(35=J2名古屋)のゴールパフォーマンスを披露した野津田。今年最後のユアスタで、存在感を見せつける。【下田雄一】