新潟県勢初の4強入りを狙った初出場の日本文理だったが、矢板中央(栃木)に阻まれた。

 前半36分、ガーナ人の父を持つ長身190センチのGK相沢ピーターコアミ(2年)が1度は至近距離のシュートを好セーブも、こぼれ球を拾った矢板中央のMF山下純平(2年)に決勝点を決められた。後半は残り10分から相手ゴールを攻め続けたが、ゴールが遠かった。

 GK相沢は「調子は良かったけど、自分の失点ミスで勝ちきれなかったことが悔しいです」と振り返った。シュート数も6-15と圧倒されたが、失点を除けば10本近い枠内シュートをことごとくセーブ。後半ロスタイムには相手ゴール前まで上がり、元FWらしくロングスローを頭で合わせようとしたが、わずかに届かなかった。

 本格的なGK歴は昨年1月から。県予選の4回戦から正GKに抜てきされ、PK戦となった作陽(岡山)との3回戦では2本を止め、初陣ながら県勢2度目の1大会3勝目をもたらす立役者になった。GK歴は浅いが、あこがれのドイツ代表・GKシュテーゲン(バルセロナ)の位置取りを動画で研究するなど、向上心も人一倍だ。

 フィールドプレーヤーとしては、中学までクラブ内でも一番下のチームにいたほど目立たなかったが、「身長もまだ伸びています」と、成長度タップリのGKとして注目選手に急浮上。弟2人、妹3人の6人きょうだいの長男で、「プロ入りして、1日も早く家族に恩返しがしたい」と夢だった目標が、狙えるところにきた。