新守護神がベールを脱いだ。高知キャンプ中のJ2アルビレックス新潟は7日、春野総合運動公園で練習を行った。この日から、ブラジルの名門フラメンゴから移籍の元ブラジル代表GKアレックス・ムラーリャ(28)が本格的にチーム練習に合流。4日に来日し、6日に高知入りという慌ただしさの中、疲労を感じさせずにフルメニューをこなした。昨季J1ワーストタイの60失点を喫した守備の立て直しに、ムラーリャが特効薬になる。

 いきなり本領を発揮した。シュートストップの練習、189センチ、87キロのムラーリャが機敏に反応した。キッカー役のジェルソンGKコーチ(46)が蹴り出すボールを横っ跳びしてセーブ。ハイボールは右手でワンタッチし、外に出す。軽快な動きに、大谷幸輝(28)渡辺泰広(25)田口潤人(21)のGK陣からも「ナイス!」と声が飛んだ。

 午前10時から約1時間半、フルメニューをこなした。「ダイジョウブ、ツカレテナイ」と、初練習の感触を日本語で表現。「あとはボールの感覚を確かめるだけ」。近いうちに実戦モードに入れる自信も示した。

 4日に来日し、夜に新潟に到着。5日に入団会見を開いた。その日のうちに高知に向かう予定だったが、新潟空港発の便が大雪で欠航したため、羽田空港に移動。6日午前に高知入りした。合流初日は、午後2時からの練習試合を見ながらランニングで体をほぐした。

 長旅で時差ぼけもある。この日は別メニューも考えられていた。実際、ともに高知入りしたFWターレス(22)はフィジカルトレーニングに費やした。周囲の心配もよそに、元ブラジル代表はタフさを披露した。6日に行った測定で体脂肪は13%。「フラメンゴでトレーニングをしていた」と言うように、体は絞れている。「ムラーリャは動けるね。手も長いし、セービングもいい」。鈴木政一監督(63)も思わず目を細めた。

 13年に湘南で12試合に出場。デンカビッグスワンスタジアムでの新潟戦は2-3で敗れた。「新潟はいい雰囲気のチームだと思った。入ってみて、その通りだった」とすぐに親しみを覚えた。12年に新潟でプレーしたMFアラン・ミネイロ(30)は幼なじみ。新潟の話はよく聞いており、「だから楽しみにしていた」。その思いを、ゴール前の強固な壁になることで貫く。【斎藤慎一郎】

 ◆アレックス・ムラーリャ・サンターナ 1989年11月10日生まれ、ブラジル出身。16年にフラメンゴの正守護神を務め、同9月にW杯予選メンバーとしてブラジル代表に初選出。13年には期限付き移籍で湘南でプレー。189センチ、87キロ。背番号は38。