【ホノルル(米ハワイ州)9日(日本時間10日)=保坂果那】北海道コンサドーレ札幌は今日10日(日本時間11日)、パシフィックリム杯(アロハスタジアム)の決勝戦に臨む。1回戦はベンチを外れたFWジェイ・ボスロイド(35)が出場する見込み。相手の米プロリーグMLSのバンクーバー・ホワイトキャップスを率いるカール・ロビンソン監督(41)とは知り合いで、縁のある一戦でのタイトル獲得へ集中する。

 ジェイが試合前日練習で充実した表情を浮かべた。ミニゲームに参加し、最後に放ったシュートをきっちり決め、気持ちよく終えた。前日8日の1回戦は人工芝でのプレーによる負担も考慮され、出番はなかった。「出たかったけど、無理するところではないと、ミシャ(ペトロビッチ監督)に言われた。フィジカルで勝って自分たちのサッカーをする」と、勝利への貢献を誓う。

 ホワイトキャップスとの対戦を熱望していた。ウェールズ出身のロビンソン監督はMLSでプレーしていた現役時代、オフシーズンにジェイが所属していたカーディフの練習に参加しており、一緒に汗を流した仲。「彼はとてもいい人で、いい監督。明日の試合が楽しみだよ」。7日に行った練習試合では0-4と完敗した。「強いチームとやるのはいいテストになる」。近づくリーグ開幕戦に向けて、絶好の鍛錬の場と捉え「うちらがどれくらい成長したか見せる」と、連敗するつもりはない。

 1回戦はMLSコロンバス・クルーに、点の取り合いで競り勝った。決勝進出を決めた試合を「ポジティブな部分があった」とうなずく。指揮官が求めるサッカーが実践されつつあり「新しいスタイルを試しているなか、少しずつうまくなってきている」と自信を持つ。

 出場は4チーム、公式戦ではない大会だが、ペトロビッチ監督は「どんな大会であっても頂点を目指していかないといけない。Jリーグを代表している。勝って札幌という名前を発信していく」とチームを鼓舞した。昨季チーム得点王のFWも同じ考えだ。「大会だから必ず勝ちたい」。常夏の島から雪が積もる北海道のサポーターへ、喜びを届ける。