鹿島アントラーズはいきなりチャンスが訪れた。前半3分、サンフレッチェ広島DF水本裕貴のクリアミスを突いて、FWペドロ・ジュニオールがGKと1対1に。しかし、広島GK林卓人の好セーブによって決めることができなかった。

 その後にペースを握ったのはアウェーの広島だった。FWパトリックの高さを生かし、MF川辺駿、MF柏好文の両サイドハーフが果敢に攻め上がる。セカンドボールも拾って主導権を握り、鹿島ゴールに迫るが、GKクォン・スンテらの落ち着いた守りにゴールを割れなかった。

 鹿島もMF土居聖真、MF小笠原満男が鋭いミドルシュートを放つも、無得点で前半を折り返した。

 均衡が破れたのは後半6分だった。広島は川辺が右サイドをえぐってクロス。鹿島MF三竿健斗がカットしたが、続けて出した縦パスが広島DF和田拓也の前に。和田は慌てて取りに来た三竿健をうまい切り返しで交わすと、ニアサイドのゴール右に突き刺して先制した。昨季から続いていた鹿島の連続無失点時間は530分でストップした。

 鹿島は、後半18分に途中出場のFW鈴木優磨が粘ってペナルティーエリア内で倒されてPKを獲得したが、キッカーだったFW金崎夢生のシュートコースをGK林が読み切った。はじかれたボールに詰めた土居のシュートも林が再び胸ではじいて、しのいだ。

 鹿島は終盤に猛攻を仕掛け、後半45分にはFW鈴木がヘディングシュートを放つも左ポストに嫌われた。広島が1点を守り抜き、開幕から3連勝を飾った。終盤にDF安西幸輝が負傷交代した鹿島は、昨年途中から大岩剛監督が就任後は負けなしだったカシマスタジアムで、リーグ12試合ぶりに黒星を喫した。