今季2度目の「静岡ダービー」は、名門藤枝東出身の司令塔に注目だ。ジュビロ磐田-清水エスパルスの伝統の一戦は明日7日、袋井・エコパスタジアムで行われる。攻撃でキーマンとなる磐田MF山田大記(29)と、清水MF河井陽介(28)は藤枝東で先輩後輩の間柄。高校時代、ともに背番号「10」をつけた両雄が、J1で5シーズンぶりに直接対決する。

 清水の司令塔は静かに闘志を燃やしている。河井は5日、静岡市内で行われた午前練習に参加し、フルメニューを消化した。磐田戦ではボランチとして先発が確実。練習後は充実した表情を見せ、今後のリーグ戦の行方を左右する伝統の一戦に向けて決意を示した。

 「勝てば勢いがつく試合。(ダービーは)ホームもアウェーも関係ない。勝ちます」

 12年に慶大から加入し、今年でプロ7年目。清水一筋の28歳はダービーの重みを誰よりも理解しているつもりだ。昨季は開幕戦で左アキレスけん断裂の大けがを負ったことで磐田戦での出場は果たせなかった。チームはリーグ戦で2戦2敗だっただけに「見ていて悔しい思いをしているので、今年はいい試合をします」と言葉に力を込めた。

 燃える理由もある。中盤でマッチアップする可能性がある磐田MF山田は、藤枝東の1学年先輩。高校時代は名門の10番を背負い、大学を経由してプロ入りするなど共通点も多い。直接対決は13年4月13日以来、1818日ぶり。特別な対抗意識はないというが、「そういう対戦も楽しみながら戦います」と心待ちにした。

 今季、チームは3月7日のルヴァン杯で磐田に勝利(1-0)。最大のライバルを再び破れば、さらに勢いは加速する。河井は「局面で厳しい試合になるけれど、負けないことが大事」。清水のゲームメーカーが勝利のためにタクトを振る。【神谷亮磨】