サンフレッチェ広島GK林卓人(35)が、柏レイソル戦の後半30分にFWクリスティアーノ(31)の強烈なPKを左手1本で弾き、チームに大きな勝ち点3をもたらした。

 前半に1点をリードするなど主導権を握ったが、後半は一転、柏の猛攻を受けた。29分、DFがペナルティーエリア内に進入したFW山崎亮平を倒してPKを献上。そのピンチの中、林は冷静にクリスティアーノを見ていた。

 林 (クリスティアーノに)何年か前、PKを決められたことがあった。ギリギリまで動かないで見て、相手をどれだけ迷わせて、相手の入り方を見て、最後に自分の直感を信じた方に飛んだ感じ。

 そうして左方向に飛び、左手で弾いた。ボールが頭上高く飛んでいくと、右拳を握り締めてガッツポーズした。「みんなが来てくれたので、一応、喜んでおいた感じ。ギリギリ、最後に枠を外れていってくれた。何とか手に当たった感じなので、ホッとしました」と笑顔で振り返った。

 4試合連続完封(3勝1分け)で首位をキープした。勝ち点1差でJ2降格を免れた17年と何が違うのかと聞かれると「紅白戦で言うセカンドチームの選手が、本当にいいプレーをしてくれて、僕たちは混乱するというか…。点をバンバン取られるし、ずっと押し込まれる紅白戦をやられている。出ている選手は危機感も当然ある」とチーム内競争の激化を挙げた。「セカンドチームがいい攻撃、守備をしてくれるから、自分たちがいくタイミングが良かったか悪かったか整理できる。甘んじたくないという競争が、今の結果を生んでいる」と、メリハリのある戦いぶりを作り上げているのも、日々の練習での紅白戦だと指摘した。

 城福浩監督(57)が紅白戦でいいものを見せた選手を起用していることも指摘し「監督も見ている。結果を出した選手を使っている。いい循環を生んでいる」と説明した。【村上幸将】