J2として2001年以来17年ぶりに参戦したヴァンフォーレ甲府が、浦和レッズに2戦合計3-2で競り勝ち、同年の川崎フロンターレ以来となるJ2からの8強入りの快挙を成し遂げた。

 甲府の上野展裕監督(52)は「ちょっと苦しい試合になって、セカンドボールをことごとく取られ、対処できず2失点。1点返し、セカンドボールを奪い返そうとハーフタイムに誓い、セカンドボールを五分五分にして、決定機も決められなかったが何回か作り、甲府らしいサッカーが出来た」と笑顔で振り返った。

 上野監督は、4月30日に、当時16位と低迷するクラブが吉田達磨前監督(44)の契約を解除し、代わりに新監督に就任した。5月3日のJ2リーグ戦の初戦・レノファ山口FC戦こそ1-1で引き分けたが、そこからリーグ戦で4連勝し順位は9位に浮上。2日のプレーオフ初戦でも、浦和に2-0で7年ぶりに勝つなど短期間でチームを立て直した。

 この日は「試合前に1点取ろうと確認し合った。受けて立つのではなく、1戦目のように積極的に行き、勝ちにいこうと攻撃的に臨んだつもりだったが前半、守備的になり」(上野監督)ホームで逆転を狙う浦和に押し込まれて、前半19、24分と連続失点した。その中、同27分にMF小塚和季(23)が、値千金のアウェーゴールを決めた。上野監督は「防戦一方になった。でも小塚が取ってくれて、思い通りアウェーゴールを決められた」と振り返った。

 上野監督は会見の最後に「浦和さんはJ1再開に向け、厳しいトレーニングをする中、コンディション整わず、代表選手もいない中だったので、胸を借りるつもりだった」と、浦和をたたえた。【村上幸将】