アルビレックス新潟はジェフユナイテッド千葉に1-2で負けた。0-1で迎えた前半9分、FW田中達也(35)のグラウンダーの右クロスを中央に走り込んだFW矢野貴章(34)がスライディングで押し込み同点。30歳代コンビでゲームを振り出しにもどしたが、後半39分に勝ち越された。前節東京V戦に次いで2連敗。ホームの勝利は、3月25日の第6節徳島戦から見放されている。

 デンカSのある新潟市中央区の最高気温は今年1番の38・4度。前節東京V戦から中3日の消耗戦。そんな条件下でゲームは序盤に動いた。前半7分に先制を許した2分後の同9分だ。FW田中の縦パスに追いつき、グラウンダーの右クロス。中央に走り込んだFW矢野がスライディングで右足を伸ばして、ボールをゴールネットに押し込んだ。「僕はここで結果を残すこと。ここで生き残るためにプレーしている」。そんな強い思いでプレーする34歳の矢野が、同点ゴールで結果を残した。

 先発の平均年齢27・09歳。千葉とは0・64歳下回る。平均こそ年齢差はほとんどないが、2トップは矢野が34歳、田中が35歳と30代半ばコンビだ。「試合中にどうすべきかの判断は経験のある選手は分かっている」と、中盤でゲームをコントロールするのも、30代の脂の乗りきったMF小川佳純(33)だった。攻撃を担うのは年齢の高い“ベテラン”たち。30代コンビがピッチにエネルギーを発散した。

 鈴木政一監督(63)は、中3日の消耗を度外視して老練なベテランたちに前線を託していた。「いい状況であれば(オーダーを)代えたくない」と前節と同じ布陣でスタートしていた。後半も、分厚い攻撃で相手ゴールに迫ったが、ホームは3月25日以来、どうしても勝てない。後半8分の矢野のヘッドは右ポストにはじかれた。最後はパスミスから千葉のFW為田大貴(24)に勝ち越しを許す。新潟は、ホーム9試合未勝利の長いトンネルから抜け出せなかった。【涌井幹雄】