清水エスパルスで、不祥事が発覚した。清水は3日、元出向社員による売上金などの不正私的流用について発表。経理担当の30代男性がチケット代やスポンサーからの協賛金などから約6700万円を着服し、高級国産車や高級腕時計の物品購入や遊興費、貯蓄にあてていたことが判明した。

 着服は7月3日に見つかり、調査を開始。当該元出向社員は7月31日付で懲戒解雇された。

 清水の左伴(ひだりとも)繁雄社長は静岡市内で会見を開き、謝罪した上で経緯を説明。「現金出納を含む経理業務を1人に任せていたことが全ての原因です。チェックも不十分で、管理監督責任もあります」。同社長は、月額報酬の30%を3カ月間減額する。

 取材によると、横領した30代男性はクラブスポンサーの関連会社から出向していた。11年から経理担当となり、翌12年頃から6年間にわたって着服。今年5月末に出向元へ帰任したが、新たな経理担当者が会計システム上の帳簿に不可解な点があったことを指摘し、社内調査を行った上で本人に確認し認めたという。既に当該元出向社員から約3000万円が弁済されており、今後全額返済される見込みのため、刑事告訴は見送られるという。

 過去には13年にJ1東京の経理担当部長が、総額約2300万円の会社経費を私的流用。16年にはJ3盛岡の平川智也元副社長が約3600万円を横領したとして、業務上横領の罪に問われた。清水は対応策として業務上の手続きでダブルチェックを徹底することと、定期的な人事ローテーションなどを挙げた。