アルビレックス新潟が今季2度目の連勝を決めた。ツエーゲン金沢に2-1。勝ち点36で順位は18のまま。前半23分に渡辺新太(23)の4試合ぶりのゴールで先制。その3分後に追いつかれたが、後半ロスタイム、来季入団が決まっている新潟U-18所属の本間至恩(18)がリーグ戦デビューで初得点を挙げて勝負を決めた。

勝利をもたらしたのは新鋭だった。後半ロスタイム、本間がドリブルで切れ込み右足を一閃(いっせん)。ゴールマウスを捉えた。緊迫した展開に終止符を打った。

新潟が勢いに乗った。その象徴が渡辺新のゴールだった。前半23分、FW河田篤秀(25)がペナルティーエリア右からシュート。そのこぼれ球に走り、ゴールに押し込んだ。勢い余ってゴールマウスの中に転がり込む。起き上がると自然と笑みがこぼれた。

得点が欲しかった。前節岐阜戦で河田がハットトリック。渡辺新の7得点を上回り、通算8得点でチーム最多に。「俺も取ります。河田さんのことは泳がせておきます」。平静を装いながらも、気持ちは高ぶっていた。

渡辺新のゴールを引き出したのは、果敢にゴールを狙いにいった河田のプレーだ。「前節得点したことで、自分のところにくるボールは増える」と自覚して臨んだ。岐阜戦では徹底してゴール前に走った。片渕浩一郎監督(43)からは「それをやり続けなければおまえが出る意味がない」と激励された。持ち味の継続がチーム内の良きライバル、渡辺新の得点を生んだ。

3試合連続の勝ち点ゲットは、開幕から第4節以来。片渕監督は「金沢戦に向けて、先週よりも(練習内容を)少し細かくやりすぎたかな」と言う。意識したのは攻守の切り替え。そこに注力したのは前線からのプレス、奪ってから相手の裏に走る攻撃が「できる前提」(片渕監督)だったからだ。

狙い通りにチームの土台の上で、若い攻撃陣が躍動。勝ち点の積み重ねはチームの進歩を示していた。

【斎藤慎一郎】