日本サッカー協会(JFA)相談役で、元キャプテンの川淵三郎氏(81)が28日、ツイッターを更新し「新潮新書“黙ってられるか”の題名から見て僕は何でもかんでも喋ってしまう印象があるかも知れないけど、話す事が事態の悪化に繋がり事態の収拾にマイナスになるときは当然無口になる。今がその時、お察しください」と意味深なツイートをした。

川淵氏は、事態が何を指すかについては一切言及していない。ただ、これまで、25日に日本相撲協会に引退届を提出した大相撲の貴乃花親方(46=元横綱)の件については、繰り返しツイッターで見解を発信してきた。同日には「でもその背景はよく理解しています。それだけに何とかこういう事態にならないようにと思案を巡らせていたのですが~」と、一連の問題の背景を知った上で、同親方が引退しない方策を考えていたことを示唆した。

川淵氏は17年12月15日に行われた貴乃花一門の総会で乾杯のあいさつをするなど、同親方と親交が深い。3月29日の日本相撲協会の理事会で、同親方が春場所中の無断欠席などで委員から年寄へ「降格」の処分を科された際も、一夜明けた同30日に「昨夜貴乃花親方と久し振りに会食した。この数ヶ月の苦しい厳しい難しい局面を経験した結果、最終的に一兵卒と割り切った結論を自分なりに出したせいか、スッキリした屈託のない明るい笑顔を見て安心した。これから一兵卒として努力する親方を見ててね!」とツイートしていた。

また川淵氏はこの日、J2のFC町田ゼルビアの経営権取得に動いていることが分かった、サイバーエージェントの藤田晋社長(45)とも親交が深い。同社長が初代チェアマンとして中心となって立ち上げ、10月1日に開幕するマージャンのチーム対抗ナショナルプロリーグ「Mリーグ」の最高顧問に就任した。川淵氏はこの日、Mリーグについてはツイートしたが、町田の件については、いまだ触れていない。

川淵氏は“本業”のサッカーに関しても、自らの見解をツイッターで積極的に発信してきた。4月4日には、フィットネスクラブを運営するRIZAP(ライザップ)グループがJ1湘南ベルマーレを傘下に収めるべく、筆頭株主の三栄建築設計と湘南を運営するための合弁会社を立ち上げる協議を行っている件について、歓迎する意向を明らかにした。

「ライザップが湘南ベルマーレに経営参加するという記事を見て大変喜んでいる。去年瀬戸社長とゴルフをした際交渉中と聞いていたし事前に湘南の真壁会長からもその旨の話があった。河野外務大臣が全面的に支援して頂いているしJリーグの理念を最も理解している真壁会長の元で大きく発展すると確信する」(原文まま)

その後、ライザップは湘南を連結子会社化したが、川淵氏が裏事情をツイッターで明かしたのは正式発表前だった。

川淵氏は8月9日に新潮社から新著「黙ってられるか」を出版し、その中で、Jリーグ立ち上げ時に「Jリーグに巨人はいらない」と発言し犬猿の仲となった、読売新聞社の渡辺恒雄主筆と特別対談もしたことも話題となったが、著書に引っかけて今は黙っている時だと強調した。