前節で首位に躍り出たと川崎フロンターレと、公式戦7連勝でリーグ順位も3位に浮上してきた鹿島アントラーズ。

真夏のような日差しと気温で試合中に「給水タイム」も設けられた大一番は、互いに死力を出し尽くしてスコアレスドローに終わった。川崎Fは勝ち点1を積み上げて、サンフレッチェ広島との差を1つつけた。鹿島は川崎Fに、15年8月29日以来のリーグ戦勝利はならなかった。

水原(韓国)とのアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)準決勝第1戦の激闘から中3日で臨んだ鹿島だが、メンバーは2人を入れ替えただけ。

一方の川崎FはMF家長昭博が出場停止なものの、9月の日本代表戦で負傷したMF守田英正が復帰を果たした。

戦前の予想通り、出だしはアウェーの川崎Fがボールを保持し、鹿島がコンパクトな守備陣形で迎え撃つ構図となった。その中で最初に大きなチャンスを迎えたのは川崎F。前半8分、右サイドのDFエウシーニョへ大きく展開すると、その右クロスにFW小林悠がニアサイドで合わせた。ボールは転々とゴール方向に向かったが、左ポストへ当たり、跳ね返ったところをクリアされて先制はならなかった。

白熱した攻防の中、給水タイムも経て、ついに決定機が訪れる。後半36分、再びエウシーニョのグラウンダーのクロスを、小林はペナルティーエリア内でヒールトラップで抜け出ようとした。これは鹿島DFチョン・スンヒョンがうまく体を入れて対応した…かに見えた。だが、小林がうまく体を入れて粘る。これにチョン・スンヒョンがたまらず倒してしまい、PKが与えられた。

だが、キッカーの小林と、GKクォン・スンテ。互いに駆け引きの後に臨んだPKは、GKクォン・スンテが読み切って左に飛んで好セーブ。小林は湘南戦に続いてPKを失敗してしまった。前半は0-0で折り返した。

後半は打って変わって、鹿島が主導権を握った。後半11分にはMF遠藤康が放った左ボレーシュートが川崎FのDF谷口彰悟の左手に当たったかに見えたが、ハンドによるPKは与えられなかった。

リズムが悪かった川崎Fも少しずつ押し返し、後半24分にはMF中村憲剛の左クロスにMF阿部浩之がPKマーク付近でフリーでヘディングシュートを放ったが、鹿島GKクォン・スンテにはじかれて決めることはできなかった。

後半37分には、川崎FのFW小林がけがを訴えてピッチに倒れ込むアクシデントもあった。この試合後は日本代表に合流する予定だったが、心配される負傷交代となった。

後半ロスタイムには、カウンターを仕掛けた鹿島のMF土居聖真を倒して2枚目の警告を受けた川崎FのMF阿部が退場する場面も。鹿島が猛攻を仕掛けたが、ゴールは割れず、見応えのあった試合はスコアレスドローに終わった。