鹿島アントラーズの日本代表MF三竿健斗(22)が、3-2で競り勝った柏レイソル戦で、後半33分から途中出場し、クローザーとして1点のリードを守りきった。若手主体の編成の中、主力として貫禄のクローザーぶりだったが、試合後に、そのことについて聞かれると「俺とみんなは年が一緒だから」と苦笑した。

2-0で勝った3日のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)決勝ペルセポリス(イラン)第1戦から中2日で臨んだ柏戦は、1-0で勝った10月31日のセレッソ大阪戦に続き、リーグ戦の出場機会が少ない若手とベテラン主体の先発だった、ベンチスタートだった三竿健は「中2日で迎えた試合で、チーム全体で戦う部分を出せたと思う。普段、なかなか出られない選手が結果を出して、勝てたのはチームにとって、すごく大きい」と振り返った。

クローザー役としてプレーした感想を聞かれると「僕が(試合に)出始めたのは、途中から出てからなので慣れているし、出されたからには自分のプレーを出さないと意味がないし、そんなに難しく考えることはなかったし。リードしている時は、やることは簡単なので、それをしっかり整理できていたのは良かった」と淡々と振り返った。

取材陣から「若い人が出ていたが?」と聞かれると「若いといっても、俺とみんな年が一緒だから、そんなに考える必要はないし、スタメンで出ている以上は年齢は関係ないので、そういう気持ちは全くない」と苦笑いした。

柏戦に勝ち、気持ち良く10日(日本時間11日)にイランのテヘランで行われる、ACL決勝ペルセポリス第2戦に臨む。アザディスタジアムは、収容人数9万人とも言われる巨大なスタジアムで“完全アウェー”の言葉では済まされない、圧倒的な敵地となる可能性が高い。三竿健は「雰囲気にのまれないのは1番大事なので、先に点を取られるとすごく難しくなると思う。僕らが先に取って有利に試合を進めたいと思うし。チームとして、8万人とか10万人とかいう決勝の舞台でやるという経験も、なかなかないと思うので、そこで人間性が出るのかなと思うので。どういう状況の中でも、みんなで手を取って、まとまって戦いたいなと思います」と先制点とまとまりの重要性を強調した。

三竿健自身、2013年にUAEのドバイで開催された、U-17(17歳以下)ワールドカップに出場しており、中東での試合は経験済みだ。その経験が生きるか? と聞かれると「事前キャンプも向こうでやっていたし、気候、時差に慣れる時間も長かったのでスムーズに入れましたけど。今回は、あまり時間がなくて」と状況が違うことを指摘した。その上で「でも、そういう環境に影響されていたら全然ダメなので、言い訳はせずに、その状態で出来る最大限のプレーがみんな出来ればいいと思う。(中東だからどうとか)あまり考えない」と語った。

一方で、アザディスタジアムでプレーする、イメージトレーニングは行っているという。「イメージトレーニングはしますし…イメージは、やはりすごい大事だと思うし。映像を見ながら自分が立っているイメージをしたい…そういう感じ。すごく楽しみですし、すごい雰囲気だと思うので、鹿島のために戦えるのは楽しみです」と静かに闘志を燃やした。【村上幸将】