長丁場のリーグ戦を始める。ジュビロ磐田はホームで昇格組の松本と開幕戦(ヤマハ、15時)。

名波浩監督(46)就任後、J1では初のリーグ戦白星発進に挑む。

開幕戦を翌日に控えた名波監督の言葉には、期待と不安が交錯していた。22日、磐田大久保グラウンドで最終調整。恒例のリラックスゲームで準備を終えると「新しいことに挑戦する中で、昨年からのプラスアルファは出てきている。ただ、勝利がない。自信満々で臨む開幕戦ではないということ」。ここまでの実戦では、J1勢に未勝利。素直な感情が口を突いた。

万全ではない。だが、できる準備はしてきた。鹿児島キャンプでは、昨季リーグワースト2位の35得点に終わった課題改善に着手。攻撃に時間を割いた。さらに、今季から報道陣も立ち入れない完全非公開練習も導入。21日に行った同練習について指揮官は「伸び伸びやっていたし、緊張感もあった。最高だった」と明かす。選手の状態には、手応えをつかんだ。

14年夏の就任から、J1での開幕戦は1分け2敗。「34(試合)分の1以上の価値がある試合。スタートダッシュできるように取りたい」と“4度目の正直”を狙う。呼応するように、ゲーム主将のDF大井健太郎(34)は「勝ってみんなで喜び合いたい」。MF中村俊輔(40)も「勝ちにこだわっていく」と勝ち点3への強い決意を語った。

この日、本紙掲載のJ1順位予想で磐田は、サッカー担当17人の平均値が12・77位だった。名波監督は「額面通りだと思う。選手には『年間を通じて覆していこう』と伝えたし、それがモチベーションにもなる」と言った。入場券は、9日時点で完売。本拠地の大声援を背に、逆襲への1歩を刻む。【前田和哉】