J2アルビレックス新潟は8日、第13節V・ファーレン長崎戦(11日、トランスコスモススタジアム長崎)に向けた練習を聖籠町のクラブハウス練習場で行った。

開幕からフル出場のGK大谷幸輝(30)の安定感が光る。ここ2試合連続無得点の堅守の中、好セーブと守備の統率を的確に行ってきた。長崎戦も無失点に抑え、連勝の土台をつくるつもりだ。

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試合と同じ集中力を、大谷は練習から見せる。11対11の試合形式、味方に対して守備位置の指示を細かく出す。シュートには慌てずに対応。「準備はできている」。4月28日の水戸ホーリーホック戦(0-0)、前節4日のレノファ山口戦(2-0)と2試合連続無失点。新潟の守備は安定してきた。その中心に大谷がいる。

山口戦は相手の枠内シュートを6本止めた。今季の枠内シュートのセーブ率は75%(データスタジアム調べ)。「ポジショニングが良くなっていると思う」。ジェルソンGKコーチ(47)からことあるごとに指摘され、練習中から特に意識してきた部分だ。

以前はなんとか止めていた難しいシュートを、今季は正面で止められているという。昨季までは慌てて前に出過ぎるなど「バタバタしていた」。今季は前に出るときは出る。出ないときは、すぐに対応できるポジションを取るなど、判断に迷いがない。

それがあるから状況の変化にも対応できる。山口戦ではサイドハーフが本職の戸嶋祥郎(23)が右サイドバックに、開幕から右サイドバックの川口尚紀(24)が左サイドバックに今季初めて入った。簡単な要求だけを伝えて、あとは思い通りに守らせた。その分、自分がしっかりとカバー。周囲に安心感を与えた。

開幕からフル出場が続く。「体に違和感があったらすぐに対処する」と言うように、ケアも万全に行ってきた。いい波がチームにも自分にも来ている。だからこそ「次も勝たないと上に行けない」。J初対戦となる長崎戦での勝ち点3獲得の大切さを感じていた。【斎藤慎一郎】