タイ・サッカー協会は1日、昨年のロシアワールドカップ(W杯)で日本を率いて16強入りした西野朗氏(64)が同国代表の監督に就任すると発表した。

西野氏は5月29日にタイ入りし、同日と30日にタイリーグを視察。タイのメディアによると、この日午後にタイ協会の建物に入り、詰めの交渉を行い、晴れて就任の運びとなったようだ。

昨年のロシアW杯決勝トーナメント1回戦、逆転負けしたベルギー戦後、退任しており、この1年間はフリーの立場だった。

柏レイソル、ガンバ大阪などを率い、長く現場で指揮官として生き抜いてきた。現場へのこだわり、思いは強く、進境著しいタイで、再びW杯を目指す真剣勝負の場に身を置く。

タイはW杯出場経験がないが、Jリーグのコンサドーレ札幌で大活躍するMFチャナティップら逸材が多く、近年急成長を遂げ、22年W杯カタール大会出場を目指している。FIFAランキングは、日本の28位に対し、116位。切り札西野監督で、一気の急成長を目指す。

これで、森保ジャパンも含め、17日に組み合わせ抽選があるW杯アジア2次予選への注目度は一気に増した。カンボジアは、実質的な監督として本田圭佑が率い、タイを西野氏。この3人はちょうど1年前のW杯を西野監督、森保コーチ、MF本田としてともに戦った。

組み合わせ次第では、森保ジャパンに西野タイ、本田カンボジアと、日本を知り尽くす指揮官が率いるライバルが立ちはだかる可能性もある。