J1湘南ベルマーレは4日、神奈川・平塚市内で曹貴裁監督による選手らへのパワハラ疑惑に関するJリーグの調査結果が出たことを受けて会見を行った。同監督の処遇については保留とし、本人の精神状態の回復具合などをみて検討していくと発表した。

この日、湘南の会見に先立ってJリーグが会見を行い、調査の結果、同監督によるパワハラの事実があったと発表。同時に裁定については、曹監督に「けん責(始末書をとり、将来を戒める)」「公式戦5試合の出場資格停止(すでに自粛している5試合をもって本制裁を科したものとする)」、湘南には「けん責」「制裁金200万円」の制裁を下した。

会見に出席した真壁潔会長は同監督の処遇を保留とした理由について、本人が精神的に落ち込み、憔悴(しょうすい)していることを挙げ「みなさんご存じのように、監督のこのサッカーは選手、スタッフのパワーもそうですが、曹自体パワーが生まれてこないようではとても指揮は執れないと私は考えています。その中で、今日この通知をうけて、また難しい状況の中で向き合って、検討していきたいと思います」と説明した。

曹監督は8月13日から活動自粛が続いており、その間にチームは高橋コーチ指揮のもとで5試合を消化。同監督が2日後にせまるホームでの川崎フロンターレ戦から指揮を執ることも可能ではあるが、真壁会長は「僕らの知っている曹貴裁のパワーを作り出す、そして戦っていくことはそう簡単なことではない」と同試合での現場復帰の可能性は低いとの見方を示した。

また、真壁会長はクラブ独自での監督への処分については「Jリーグの出した処分を100%順守していくというだけでございます」と否定的な見解を述べ「その後、監督ができるかできないかは本人の気持ちと、我々のステークホルダーのみなさんらの意見を聞いて決めたい」と話した。

この日の湘南の会見の登壇予定者は真壁会長、水谷尚人社長のみだったが、会見で謝罪したいという曹監督本人の強い希望もあり、担当弁護士らとの出席が開始直前にアナウンスされていた。