J1清水エスパルスは厳戒態勢で調整に励んだ。2日の磐田との「静岡ダービー」に備え、10月31日は試合会場のアイスタで練習を行った。

当初は清水三保グラウンドで行う予定だったが、前日30日に急きょ変更。報道陣もシャットアウトし、「完全非公開」で臨んだ。練習後の取材も篠田善之監督(48)だけが対応し「スタジアムで集中してやりたかった」と説明。就任後初となる「鉄のカーテン」で万全を期した。

この一戦に懸ける思いは強い。対する磐田は最下位。J2降格の危機が迫る相手だが、篠田監督は「その状況は関係ない」と強調する。清水も現在13位。プレーオフとなる16位湘南との勝ち点差は「4」に迫っているだけに油断はできない。結果次第では順位が後退する状況も踏まえ「足元を見つめてやるだけ」と続けた。

チーム内ではけが人が続出し、総力戦になる。U-19日本代表に選出されていたユースのFW川本梨誉(18)は千葉で行われていた合宿から一時離脱することが決定。既にトップチームで公式戦に出場している戦力の1人を急きょ呼び戻し、宿敵との一戦を迎える。

リーグ戦では通算50度目の「静岡ダービー」。既に前売りチケットも完売した。篠田監督は「特別なゲーム。90分間走り続けないといけない」と闘う姿勢を求めた。残り5試合。ライバルを迎え撃ち、目先の目標でもあるJ1残留に弾みをつける。【神谷亮磨】