清水エスパルスとジュビロ磐田の「静岡ダービー」が2日、アイスタ(午後2時)で行われる。リーグ戦では通算50度目となる伝統の一戦に備え、1日は両クラブとも非公開で最終調整。清水は2種登録されているユースFW川本梨誉(りよ、18)のベンチ入りが決まった。既にトップデビューを果たしている18歳が、宿敵相手からクラブ最年少ゴールを狙う。

  ◇  ◇  ◇

川本の表情は一段と引き締まっていた。決戦を控えたこの日は、フルメニューを消化。練習後、篠田善之監督(48)がメンバー入りを明言した。U-18日本代表で参加していた千葉での合宿を一時離脱し、この日チームに合流。合宿では先月31日に流通経大と練習試合を行い60分間出場したが、「若いので大丈夫です」と万全を強調した。

下部組織で育ち、来季のトップ昇格も内定。今季は既に、チームに欠かせない「戦力」になっている。デビュー戦は2-0で勝利した5月のルヴァン杯磐田戦。9月の天皇杯磐田戦でもピッチに立って勝利を手にした。今回が3度目のダービーだが、ホームでのリーグ戦は別格。練習場には大小30以上の横断幕が掲げられるなど、サポーターの熱意も違う。川本は「ジュニアユースの時から負けてはいけないと言われてきた。勝ちたいというより、勝ちます」と宣言した。

ベンチスタートが確実だが、交代の1番手候補として出番を待つ。MF石毛秀樹(25)が持つ18歳5カ月9日のクラブ最年少ゴールの記録更新も懸かっており、「どの状況でもゴールを狙う。結果を残したいです」と意気込んだ。舞台はリーグ戦で通算50度目の「メモリアルダービー」。クラブの次代を担う18歳が、自らの足で新たな歴史を刻む。【神谷亮磨】