浦和レッズが、上野優作ヘッドコーチ(46)の監督代行試合を勝利で飾れなかった。

大槻毅監督(46)が前節1日の鹿島アントラーズ戦でDF永木を押し倒し、乱暴な行為で1試合のベンチ入り停止処分。その試合から先発8人を変更するターンオーバーを敢行し、上野代行が指揮した。

試合は前半と後半に1失点ずつして敗れたが、停滞した前半から後半に向けてチャンスが増えていった。J1初采配は黒星となったが「いいところは出せた。点が取れなくて残念だったけど、粘り強く守れたのは良かった。前半はゼロで抑えたかったところを警戒していたミドルでやられてしまったが、勝負を分けるところで結果が出ないのが現状。それでも、あくまで評価するのは監督だけど、選手は頑張ってくれた」とたたえた。

興梠を温存したFWの先発は、杉本ではなくマルティノスが入った。この意図について上野代行は「ボールを持たれる時間が多くなると予想して、カウンターで背後を突いていきたかった」と説明。そのマルティノスしか序盤は中央に攻め込めず、なかなか攻撃が形にならなかったが、攻撃的MFの柏木やボランチの青木、柴戸が組み立てからチャンスメークに絡むようになり、状態は上向いた。

ACL決勝進出に伴ってここまで3連戦となり、勝ち点1しか取れなかった。それでも「攻撃で自陣からつないでいくところ。柴戸と青木が絡んだビルドアップがうまくいった。ワイドをとった(サイド)攻撃も鹿島戦から継続できた」とポジティブな部分を挙げ「今日もハーフタイムに選手がこれではいけないと話し合い、後半から自信を持ち始めた。コーチングスタッフからも柴戸、柏木からボールを配球できるようにと指示して、やってくれた」と評価した。

試合後、アルヒラルとのACL決勝第1戦の会場サウジアラビアへ。上野代行は「試合後にクールダウンもしていたし、もう選手は次に向かっている」。残留争いからは抜け出せなかったが、史上初3度目のアジア王者へ切り替えた。