ベガルタ仙台がホーム最終戦で底力を見せ、10年連続の残留を決めた。前半26分にMF道渕諒平(25)、後半16分にFW長沢駿(31)が得点。7位大分トリニータを2-0で破り11位以上を確定させた。

今季限りで楽天を退団した嶋基宏捕手(34)が試合を見守る中、ホーム成績を9勝4分け4敗として「自分たちの家」で強さを示した。

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スペシャルプレーで先制点を奪った。DF永戸勝也(24)が低い弾道のCK。ペナルティーエリア手前中央からフリーで走り込んだ道渕が、難しいバウンドに合わせながら右足で豪快に突き刺した。「練習でやっていた形だったが、あまりうまくいってなかった。『試合では入る』と思い込みで決まったゴール。スタッフの分析どおりで、そういう人たちに感謝したい」。

スタッフが大分の守備の穴を分析し、導き出した1度限りのトリックプレー。練習ではふかしたり、強いシュートを打てなかったが、枠に入れる意識で一発回答した。「練習でもああいう球質で、わりと難しいと感じていたが、うまくアジャストできた」と目標の5ゴールに到達した。

先制点を演出した永戸はリーグ1位のアシスト数を10に伸ばし「僕とミチ(道渕)だけでなく、他の選手が相手をブロックしてくれたりとかあってのゴール。先制点でゲームが進めやすくなり、今日のターニングポイント」と振り返った。

残留と11位以上が確定したが、今季は開幕5戦未勝利で始まるなど一時は最下位に低迷した。渡辺監督は「25周年という記念の年に花を添える成績を残せなかった。次の25年へどういう道を進むのか、本気でみんなが考えないと同じことを繰り返して時が流れていくだけだと思う。何を目指して進むのか考えさせられた1日だった」。残りは7日のアウェー・サンフレッチェ広島戦のみ。集大成を見せ来季につなげる。【山田愛斗】