全国高校サッカー選手権(30日開幕=首都圏)に帝京長岡が2年連続7度目の出場する。前回大会はベスト8。現チームには、来季のJクラブ加入を内定している3年生が3人いる。タレント集団を束ねるのは、来季のJ2京都サンガFC入りを決めた主将のMF谷内田哲平(3年)だ。初戦は来年1月2日、2回戦の熊本国府戦。中盤でゲームを主導し、目標の高校日本一に駆け上がる。

創造性あふれるパスでゲームを作るMF谷内田は、的確なスルーパスで決定機も演出する。トップ下、サイド、ボランチとどこを担っても高いクオリティー。ゲーム中は必要に応じてポジションチェンジする。「ゲーム状況に合わせたプレーができる。押されているゲームでも1本のパス、ドリブルで流れを変えられる。それが特長だと思う」と自分の特質を心得ていた。プレーで試合を統率する主将が、すご腕集団を勝利へ1つにまとめる。

FW晴山岬がJ2町田、DF吉田晴稀(ともに3年)がJ2愛媛に来季加入を内定させた。「言われる前に気づいて行動できる選手」と谷内田は同僚2人を評したが、来季のJリーガーの中で1歩前を行く。J2京都の加入内定は2年生だった今年3月。Jデビューこそなかったものの、8月には特別指定選手としてリーグ戦出場が可能になっていた。帝京長岡の下部組織と位置付けられる長岡JYFCでは中学2年から高校生に交じってプリンスリーグ北信越に出場。中学3年では同リーグで12得点とゴール感覚も鋭い。

前回の全国選手権8強は県勢と学校(12年度)の最高成績に並ぶ。前回大会のスタメンが現チームに6人残る布陣で当面の目標は県高校サッカー史上初の4強入り。そして全国の頂点が最大の目標だ。前哨戦となったプレミアリーグ・プレーオフ(13日=広島)では、横浜ユースに1-4で敗れたが、本番に向けて刺激になった。帝京長岡メンバーとして臨むゲームは初戦2回戦の熊本国府戦から決勝まで最多で5試合。「楽しむだけ。観客を魅了するサッカーで日本一という結果を出したい」。そのサッカーは谷内田のパスから動く。【涌井幹雄】

◆谷内田哲平(やちだ・てっぺい)2001年(平13)11月1日生まれ、長岡市出身。前登録は長岡JYFC。宮内中出身。サッカーを始めたのは4歳から。U-15、16日本代表。8強入りした前回の全国選手権は2得点(1PK)。利き足は右。170センチ、64キロ。血液型B。