令和初の選手権で、ゆかりの地、福岡・太宰府から初優勝を狙う筑陽学園が2-1で草津東(滋賀)に逆転勝ちした。1-1の後半37分、DF古賀健琉(3年)のアシストを、DF今田光(3年)が決勝ゴール。攻撃が得意なSBコンビの活躍で、前回08年度大会以来の3回戦に進んだ。

選手権前、チームは令和の引用元となった「万葉集」ゆかりの地元太宰府・坂本八幡宮を参拝しており、決勝点をアシストしたDF古賀健は「それのパワーはあると思います」と声を弾ませた。

後半は、ベンチから「(ゴール前に)ボールを速く上げろ」との指示が飛んでいたという。だが同点で迎えた後半37分。瞬時にひらめいたという古賀健は「自分が突破したらもっとチャンスになると思った」と、相手の意表を突きエリア内にドリブルで切れ込んでマイナスパスを供給。これを前線に上がっていたDF今田が蹴り込んだ。「(シュートを)ミスした感覚だったが、コースを狙っていたので行ってくれた」。約3カ月ぶりのゴールが、値千金弾となった。

もちろん、ひらめきを生んだのは、DFながら攻撃を得意とする2人の嗅覚があってこそだ。古賀健は元々ボランチだったが、守備の安定を図るチーム事情で右SBにコンバートされた。左SBの今田は、好きな選手が元日本代表の千葉FW佐藤寿人と言い、この日も得意のオーバーラップで果敢に攻撃参加を見せていた。

3日3回戦の相手は、徳島市立に決まった。この日の反省だというサイド攻撃や球際の競り負けをもう1度見直し、昨夏のインターハイ8強校に挑む。【菊川光一】