ベガルタ仙台に約1年半ぶりに復帰したFW西村拓真(23)が3日からチームに合流した。新型コロナウイルス感染拡大を受け、クラブによる14日間の健康観察期間を経て、ロシア1部CSKAモスクワから期限付き移籍後、初めてのトレーニングに臨んだ。その後、テレビ電話による報道陣の取材に応じ「新しい選手、初めて会う選手も多く、懐かしいというより新鮮な気持ちだった」など、現在の心境を語った。

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若きストライカーが帰ってきた。15年に富山第一から入団。2年目から出場機会をつかみ始め、3年目には主力へと成長した。4年目は18年8月までの公式戦32試合で16ゴールと爆発。チームの攻撃陣をけん引する存在になり、ゴール量産を置き土産に仙台生え抜きとして初めて欧州移籍を果たした。

同9月にCSKAモスクワで初出場したが、リーグ戦通算17試合2得点、欧州CLでも2試合0得点だった。今年1月にはポルトガル1部ポルティモネンセに期限付きで移籍もリーグ戦2試合0得点。新型コロナがまん延し、練習ができないなどの影響を受け、3月に仙台へと電撃復帰した。

西村は「ヨーロッパの方がレベルが高いと言われていて、そういうところを肌で感じてみたかったですし、当たり前のレベルがすごい高いイメージだった」。ロシア、ポルトガルでもまれ「FWとして常にゴールを目指す欲はもっと持たないといけないと思った」。古巣復帰を決意した理由には「もう1度ここで積み重ねたいという思いがあった」。プロデビューした場所で再び輝きを取り戻す。

新型コロナ禍でJリーグは中断中だ。3日にJリーグと各クラブが臨時合同実行委員会を開き、再開日を「白紙」にすることで合意。J1は5月9日再開を目指していたが、現時点での再開日は未定となる。それでも「コンディションを整えること、そして日々積み重ねることを意識してやりたい」。準備期間が長くなったことで連係面を高めていく。

サポーターに向けて「ユアスタでプレーするのは光栄ですし、満員のスタジアムでやりたいです」とベガルタゴールドに染まった本拠地を思い描く。背番号は「15」。欧州から帰還した若きストライカーが貪欲にゴールを目指す。【山田愛斗】