今年2月に現役引退を発表した元サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」の大野忍さん(36)が12日、オンライン会議システム「Zoom」で、自身のパーソナルトレーナーを務める山田晃広氏と共にトークショーを開催した。

愛犬2匹と共にカメラの前に姿をみせた大野さんは近況について「現役を辞めてから頑張る必要はないかなと思って、走りに行くことすら避けていたんですけど、さすがに何もない状況で、ぼーっとしてるのもなと思って、ランニングしてます。30分ぐらい。普通にジョグです」と明かした。室内でのエクササイズにも取り組んでいるといい「YouTubeを見て、良さそうなものをやっています。でも、始めてから筋肉痛がひどくて。世の中の人はすごいなと感心しました」と話した。

大野さんは引退後、指導者として活躍の場を移し、3月には古巣のINAC神戸レオネッサの育成組織に当たるINAC東京のテクニカルコーチに就任していた。「子どもたちの名前もやっと覚えてきて、楽しい時間が始まるかなというところだった」というが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響でチームも活動休止に。リスナーから、こうした状況下での選手としてのモチベーション維持の方法について質問が出ると「やっぱり(リーグが)始まった時のことを考えて今、何をすべきかを考えることが大事かなと思います。手洗いうがいもそうですけど、選手としても当たり前のことをちゃんとやることが大事です」と真剣な表情で答えた。

今回は事前に募集した約100人のリスナーがトークショーを視聴した。山田氏が同席していたことから、普段トレーナー業に従事している視聴者も多く、日々のコンディション調整について問われる場面もあった。大野さんは「自分は近くにトレーナーさんがいて、すぐに相談できていたのが良かった。女子選手は小さなけがを自分で解決しようとする人が多い。そこから大きなけがにつながるケースもあるので、そういうものをトレーナーさんが救ってくれたらいいなと思います」と話した。また、こうした経験は指導者転身後にも生かされているといい「若い子でシンスプリントになっている子がいて、トレーナーさんが止めているのに『やりたいので大丈夫です』と言って練習しようとしていました。なので、100%でできないのにやって、けがを言い訳にしちゃだめだよって言ったら、ちゃんとリハビリしてくれました。トレーナーさんもそういう風にちゃんと止めてあげてください」と呼びかけていた。

大野さんの所属事務所関係者によると、Webトークショーは今後も週1度ペースで定期的に行っていく予定だという。この日の配信の最後には山田氏が「次回はW杯優勝メダルと五輪メダルをみせてください」と要望し、大野さんも「わかりました」と笑顔で応じていた。