ヴィッセル神戸は8日、神戸市内で完全非公開の練習を行った。練習後、トルステン・フィンク監督(52)がオンラインで取材対応し、この1週間で名古屋グランパスから2選手の新型コロナウイルス感染者が出たことについて、持論を述べた。

「残念なことだが、神戸ではすごく厳しく環境を制限している。選手は1人1人でシャワーを浴びたり、これ以上何ができるのかという、レベルまでしている」。チーム内での感染予防対策を説明し、続けた。

「病気が広がるのはもちろんダメ」という大前提に立った上で、ドイツ人指揮官は「毎回1人か2人の感染者が出て、チーム全員が自宅待機になるのは残念。例えば(プレミアリーグの)トットナムは1人感染者が出ても、他の選手は練習を続けている。毎回全員動けなくなると、シーズンが進まない。海外の例を見るのもいいかもしれない」。

もちろん濃厚接触者の問題があり、同僚が自由に動くのは感染拡大の懸念もある。プレミアではこれまでに、リーグ全体で5000人以上の選手らが検査を受けている背景があり、日本とは事情が異なる。ただ、チームを預かる監督として正直な思いを口にした。

名古屋では感染者が出たことで現在、自宅待機の選手はオンラインで練習するしかなく、7月4日再開のJ1リーグへ準備期間不足への懸念が広がっている。

神戸は今後、練習試合を数試合行い、再開へ向かう予定。フィンク監督は「(本拠地の)ノエスタでもやりたい。安心な環境、やり方などを選手に学んでもらいたい」などと、本番で使う会場での予行演習を望んだ。

今季特例で導入される1試合5人の交代枠には「いいルール変更だ。私は新型コロナウイルスの時期だけではなく、今後も活用してほしい。試合のテンポが落ちず、観客も喜ぶのでは。選手を交代させることで、けが人も少なく、全体的にはいい」と歓迎した。

チームは現在、全体練習2週目に入り、フィジカル中心のメニューながらボールを交えた実戦的な内容も組み込んでいるという。【横田和幸】