ついに鬼門を突破した。北海道コンサドーレ札幌が鹿島アントラーズに2-0で勝ち、リーグ再開から2連勝を飾った。

敵地カシマスタジアムではクラブ史上初めての勝利。ホーム戦を含めても、01年5月12日以来19年ぶりの鹿島戦勝利だった。前半7分のFW鈴木武蔵(26)の先制ゴールは、J1ではクラブ史上初の開幕3戦連発弾。だが同25分には左太もも裏を痛めて途中交代。指揮官は「肉離れだと思う」と、今後に不安も残した。

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カシマで勝った。主要タイトル20冠の相手を完封で下した。ミシャ札幌3年目の真価が結実し、価値ある勝ち点3をつかんだ。ミハイロ・ペトロビッチ監督(62)は「選手たちは非常に強い気持ちを持って勝利を目指して戦ってくれた。厳しい戦いだったが、勝利に値するゲームが出来た」と喜んだ。

前半7分、自陣から送られた前線へのロングパスに、FW鈴木が反応した。スピードでDFを置き去りにし、飛び出してきたGKよりも先に右足で浮かせて先制点。開幕から3試合連続ゴールは、J1ではクラブ史上初めての快挙だ。

だが好調なエースがアクシデントに見舞われた。前半25分、ドリブルで右サイドを駆け上がっている際に、左足太もも裏に痛みが走った。自ら走るのをやめ、ベンチに退いた。指揮官は「肉離れだと思う。検査しないとまだわからないが…。間違いなく次の試合は厳しい」。再び中3日でやってくる12日湘南戦は、鈴木不在の公算が大きくなった。

敵地での連戦は残り2試合。次節は今季初めて観客が動員される。ペトロビッチ監督は「観客が入って試合ができることは幸せでうれしいこと。サポーターは12番目の選手。我々とともに戦ってくれる」。Jクラブ唯一の長期キャンプをこなすチーム。アクシデントも乗り越え、白星を積み重ねる。【浅水友輝】