J1鹿島アントラーズの元日本代表DF内田篤人(32=清水東高出)の現役引退発表から一夜明けた21日、かつての「恩師」が今後の活躍に期待した。内田が同校在籍時にコーチだった渡辺勝己氏(45=現同校監督)は、本人からの電話で引退を知った。13日に連絡を受けたといい「寂しい気持ちはあったけれど、今は本当にお疲れさまという思い。これからは何らかの形でサッカー界に貢献してほしい」とエールを送った。

内田の高校時代について「とにかく真面目な選手だった」。自宅がある函南町から毎日1時間半以上かけて通学し、全体練習後の自主トレも欠かすことはなかった。プロ入り後も決しておごることはなかった。渡辺氏が富士東高に赴任していた当時も「電話1本でお願いしただけで」練習に顔を出してくれたこともあるという。「いつでも普通なところが良さでもあった」と振り返った。

今後については「経験を伝えてほしい」と期待した上で「地元、特に母校にも目を向けてほしい」と願った。2023年に同校は創立100周年を迎える。渡辺氏は「指導に興味を持ったらぜひ、という思い。何でもいいので協力してくれたらうれしいですね」と、ラブコールを送った。【神谷亮磨】

◆渡辺勝己(わたなべ・かつみ)1975年(昭50)6月28日、富士市生まれ。清水東高で1991年(平3)全国総体サッカー優勝。卒業後は日体大へ進学し、教員の道に進む。富士東高でサッカー部監督を務め、その後母校に赴任。コーチを経て、17年から監督を務める。