アルビレックス新潟はホームでFC琉球を1-0で破り、3試合ぶりの白星を挙げた。

前半43分、左サイドを駆け上がったMF高木善朗(27)の今季初ゴールで先制点。後半はボールをつないで攻撃を仕掛ける相手に防戦一方となったが最後まで集中した守備で1点を守りきった。8月最後のホームゲームを勝利で飾った新潟はこれで5勝7分け2敗。勝ち点を22に伸ばした。

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左コーナーフラッグめがけて走り出した高木の周りにチームメートの歓喜の輪が広がると、硬かった高木の表情が一気に緩んだ。前半43分、DF新井直人(23)のロングパスがFW矢村健(23)に通ることを確認した高木は左サイドを猛ダッシュ、中央で折り返しを受けたMF島田譲(29)からのラストパスをペナルティーエリア内で受けると、丁寧に右足ダイレクトでゴール右隅に流し込んだ。昨季の6月22日ツエーゲン金沢戦以来のゴールが、貴重な決勝点となった。

7月29日の東京ヴェルディ戦(1△1)以来の先発出場となった高木は左MFに入ると、相手守備陣の嫌がる位置でボールを引き出し、少ないタッチで次々とボールを散らす。新潟加入後初先発となった左SB荻原拓也(20)の推進力を生かすため、相手マークの注意をひき付けスペースを作るなど、目に見えないところでも攻撃をけん引、後半34分に交代するまで全力でピッチを走り抜けた。

夏場の連戦が続く苦しい状況。前半は主導権を握りボールを保持できたが後半は一変。攻め込まれる時間が続いたが、後半途中出場のMF福田晃斗(28)、DF堀米悠斗(25)、DF早川史哉(26)らが粘りの守備を見せ、8月2日の栃木SC戦以来の無失点。チームが一丸となり、3試合ぶりに勝ち点3を手にした。新潟は次節、今季初の連勝を目指し、29日アウェー・アビスパ福岡戦に臨む。【小林忠】

〇…大卒ルーキーのFW矢村健(23=新潟医療福祉大)が今季初スタメン。前半8分、ゴールエリア内でボールを受けると深い切り返しでDFを抜き去り、左足でシュート。相手の足をかすめたボールは惜しくもゴールバーに嫌われたが、後半途中に交代するまで特徴のスピードを生かし、何度も相手ゴールに迫った。

後半途中出場のベテランFW田中達也(37)が、13年から在籍する新潟での通算150試合出場を達成。守備固めの場面でピッチに入ると全力でボールを追いかけ回し、勝利に貢献した。次はJ通算70得点を目指す。

▽アルベルト監督「前半は押し込めたが、後半はコントロールを失った。5連戦の疲労の影響で、守備のラインが下がり、何度かピンチを招いてしまったが、選手交代がうまくでき、何度か追加点を奪えるチャンスを作り出せた。次の試合まで1週間あるのでいい準備をしたい」

▽高木「決められて良かった。練習した形が出た。僕は蹴り込むだけだったのでチームメートに感謝していますし、久しぶりに自分のゴールで勝ててほっとしています。これからもっと勝たなくてはいけないので頑張ります」