Jリーグ鹿島アントラーズの日本代表DF内田篤人(32)が、24日のガンバ大阪戦で14年半の現役を終えた。試合後、ホームのカシマスタジアムの引退スピーチでは、引退決断に至る苦悩、現役生活を支えてくれた人たちへの感謝、そして愛するサッカーへの思いを熱く語り、サポーターへ別れを告げた。

一時代を築いたアスリートの引退スピーチは、その選手の最後の決意表明でもある。引退決断の理由とともに、人生、哲学、人柄がすべて凝縮されおり、私たちへのメッセージが込められている。

日本テレビ系『24時間テレビ43』で「募金ラン」を企画した女子マラソンで2000年シドニー五輪金メダリストの高橋尚子さんの引退会見でのコメントを、今あらためて振り返った。

 

★高橋尚子(マラソンランナー)

「いろんなことが台風のように過ぎ去って、今は台風の後のさわやかな風が吹いていると感じています。8月ぐらいから合宿で思うような走りができず、プロ高橋尚子として皆さんの前に堂々と出場できるとかというと不安で、10月になってもその気持ちが変わらなかった。足が痛いとか決定的な何かがあったわけではなくて、自分が納得いく走りができなくなった。スタート地点に立つからにはやはり勝ちたい。初めからもう無理だという気持ちであれば、退いた方がいいのかなと思った。“限界かな”というところまで挑戦できたことは、陸上人生に悔いなしと感じています」

<36歳。2008年(平20)10月28日の引退会見>

※小出義雄監督とのコンビで98年バンコクアジア大会で日本最高タイムで優勝。00年シドニー五輪は五輪記録で金メダル。01年ベルリンで当時世界最高の2時間19分46秒をマーク。