ヴィッセル神戸のトルステン・フィンク監督(52)は4日、神戸市内での練習後にオンライン取材に対応した。神戸は3試合ぶりの勝利を目指し、5日に湘南ベルマーレ戦(BMWス)に臨む。

2日のルヴァン杯準々決勝川崎フロンターレ戦に0-6と惨敗を喫し、今後は事実上、J1リーグ戦と10月から再開されるACLに目標が絞られた。2連覇が懸かる天皇杯は、J1の上位2位までが準決勝から出場できるため、現状の10位から少なくとも2位を目指さないといけない。だが、過密日程による選手の状態が予想以上に悪く、指揮官も頭を悩ませている。

「選手の疲労は常に見ているが、川崎F戦は疲労度が分かりやすく散見され、簡単なパスミス、普段は起きないミスがあった」と分析するフィンク監督。MF山口ら普段はミスが少ない選手もほころびが見られた。

MFイニエスタは右足首痛から公式戦4試合ぶりに復帰を果たしたが、あくまで後半途中からの出場で試運転だった。FW田中、ドウグラスら故障離脱者もおり、メンバー選びが大変だ。

「何人かは試合に出られないので、メンバー選びは厳しい。湘南戦後は川崎F、FC東京、セレッソ大阪戦も待っている。手元の選手は信頼しているが、過密日程の厳しさを改めて感じてる」

中2日の神戸に対し、サガン鳥栖戦が延期になった湘南は、中12日と休養たっぷりで臨んでくる。故障明けのイニエスタを今回の湘南戦で先発復帰させるか、再び途中出場させ、9日に3週連続で対戦する川崎F戦で頭から使うか、指揮官は「体調についてはコメントできない。万全であれば川崎F戦に先発で使っていた。この2日間の状態をみて、どの程度できるかだが、内容は明かさない」と、メンバーの状態などの公表には神経質になっている。

U-19日本代表候補でユースから昇格1年目のFW小田裕太郎(19)もオンライン取材に応じ、今季8試合無得点だが、最近は初得点を期待させるシュートや動きもあり、湘南戦で先発する可能性はある。

将来のエース候補は「けが人が多いし、結果を出して貢献したい。湘南は中12日、うちは連戦だが言い訳にしていたらだめ。1人1人全力でプレーするだけ」と苦境からの脱却を目指す。【横田和幸】