浦和レッズFW興梠慎三(34)が2ゴールを挙げ、歴代4位に並ぶJ1通算154得点に伸ばして50日ぶりの本拠地勝利に貢献した。2-0で迎えた前半39分に自ら獲得したPKを決めると、後半6分にはヘッド弾で追加点。これでベガルタ仙台戦は21戦20得点という「キラー」ぶりを発揮し、埼玉スタジアムで今季最多となった9831人のサポーターに8月29日の大分トリニータ戦以来の勝利を届けた。

   ◇   ◇   ◇、

円熟期を迎えた興梠が本領を発揮した。2点リードで迎えた前半39分、MF汰木のスルーパスをペナルティーエリア内で受け、相手GKのファウルを誘発してPKを獲得。「今季初PKで緊張感があった」というムードを打ち破り、ゴール右隅に蹴り込んだ。後半6分、MF汰木の左クロスに飛び込み、ヘッドで合わせて2点目。太鼓の音頭に合わせたサポーターの手拍子を浴びながら躍動した。

これで仙台戦は21戦20得点とし、J1通算154得点まで伸ばして歴代4位のFW前田遼一に並んだ。「記録が残ることはうれしいが、チームの勝利が第一前提。結果論で自分のご褒美。深く考えていない」と淡々と振り返る一方、8月29日の大分戦以来のホーム戦勝利を喜んだ。「ふがいない試合、特にホームで勝てていなかったので、何より勝ててよかった」。

今月12日には、緊急の選手ミーティングが開かれ、興梠も最後に意見を出した。「話し合いは好きでないが『楽しめているか』と聞いた。ベテランも若手が良い方向に持っていけているかと話した。今日は自分なりに楽しくやった」と安堵(あんど)の笑みを浮かべた。

埼玉スタジアムで今季最多となった9831人のサポーターに向け、仙台とのホーム戦13戦負けなし、6発大勝を届けた。「こういう試合を続けたい」と興梠。J1新記録の8年連続の2ケタ得点中のエースが、反攻へののろしをあげた。【藤中栄二】