初出場の神戸は4強で力尽きた。2試合連続の延長戦の末、1-2で蔚山(韓国)に逆転負け。ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)で神戸の追加点が取り消され、逆に蔚山の同点ゴールが認められる不運があった。突入した延長戦では土壇場でPKを与えて失点。MFイニエスタは故障で今大会初めてベンチ外で欠場した。19日の決勝は蔚山-ペルセポリス(イラン)が対戦する。

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神戸が逆転負けし、07年浦和以来、日本勢2度目の初出場での決勝進出を逃した。三浦監督は「優勝には手が届かなかったが、挑戦の過程は素晴らしいものがあった」と前を向いた。

日本勢の4年連続決勝進出は目前だったが、準々決勝から導入されたVARに泣いた。1点をリードして迎えた後半30分、途中出場のMF佐々木が追加点を奪ったかに見えた。だがバーレーン人の主審はVARを指示し、4つ前のMF安井のプレーがファウルと判定され、取り消された。

その数分後、今度は蔚山の得点は1度は副審がオフサイドの判定を下すが、再びVARで今度は同点ゴールに認められた。最後は延長後半終了間際にGK前川が相手を倒し、与えたPKで万事を休した。DF酒井は明言した。

「今まで(主審の目で)分からなかったのがサッカーの醍醐味(だいごみ)だったが、ルールが変わった。(VARで)見ているものが事実ならば、それを含めてサッカー。見られてるものなのでしょうがない」

直近の2試合で右太ももを痛めたイニエスタは初めてベンチ外。主将が「間違いなくアジアのレベルは高い」と公言していた通り、簡単には優勝させてくれなかった。

代役主将で先制点を決めたMF山口は「胸を張って帰りたい」と言った。酒井も「この悔しさを忘れる人はいない。これからの自分たちに生かしたい」。Jリーグでは12位に沈む神戸がこの日、負けはしたが、攻守一体のサッカーで誇りを取り戻した。【横田和幸】