アルビレックス新潟は大宮アルディージャに1-3で敗れ、リーグ最終戦を白星で飾ることはできなかった。今季を14勝15分け13敗の勝ち点57、順位は昨季10位を下回る11位でシーズンを終えた。0-3の後半44分にFW鄭大世(36)が頭で1点を奪い反撃態勢に入ったが、追加点を奪えず4連敗となった。アルベルト監督(52)が選手に浸透させたボールを保持して主導権を握るスタイルは貫いたが、守備の甘さをつかれる課題を最後まで修正することができなかった。

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この敗戦を来季の逆襲につなげる。最終戦はミスを突かれ3失点。白星で締めることはできなかった。アルベルト監督は、「失点の原因は自分たちのミス。ただこれを言い訳にしてはだめ。責任は監督である私にある。終盤の5、6試合は記憶から抹消したい」と悔しがったが、「選手は厳しいコンディションの中、勝利を目指し努力してくれた。今季目指したスタイルを貫く意志と意図を、表現できる時間もあった」とたたえた。

J1昇格消滅後、勢いを失ったチームは7試合連続未勝利、11位でフィニッシュとなった。コロナ禍による通常とはほど遠いシーズン。中2、3日で試合が繰り返される中、主力の渡辺、新井、福田、ロメロ、ゴンサロ、小島が負傷で戦線離脱。10月には飲酒運転問題で外国籍選手2人がチームを離れるなど、リーグ戦中盤以降はベストメンバーが組めず、思うように勝ち点を伸ばせなかった。「中盤戦までチームはいいスピードで成長できていた。ローテーションも組むことも難しく、終盤はいい結果を出せず、残念に思う」。

就任1年目で「ボールを愛する=ボールを保持し主導権を握る」ことを選手に植えつけた。来季に向け、指揮官は歩みは止めない。「主力は多く残ってくれる。質の高い新加入選手と融合することが重要。今季、最も課題となったフィニッシュ(得点力アップ)の部分をより向上させたい」。今季の悔しさを、必ず来シーズンにぶつける。【小林忠】

▼J2新潟の記録メモ 最終節も敗れ、7戦連続勝ちなしで終戦。J1では17年に16戦連続未勝利を記録しているが、J2で7戦勝ちなしは、18年7~9月のクラブワーストに並んだ。今季は14勝15分け13敗の勝ち点57で11位。勝ち点は昨季の62を下回り、順位も10位から1つ順位を落とした。今季は得点、失点ともに55点。失点は昨季の52点と大差はなかったが、得点は昨季の71点から16点も減った。