北海道育ちの新人Jリーガーが新天地で躍動する。

甲南大からJ2ファジアーノ岡山入りしたMF木村太哉(たかや、22=札幌大谷)は、1月のアタリマエニ杯で3戦2得点を挙げ、チーム初の全国8強に導いた実績を引っ提げプロでの飛躍を目指す。J2・FC琉球入りした北斗市出身のMF沢田将(17)は、小学6年の15年から5年間、スペイン留学を経験。海外で培ったハングリー魂を、次の舞台で生かす。

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スペイン帰りの沢田が南国の地でJリーガーとしてのキャリアを歩み始めた。磐田との28日開幕戦から始まるシーズンに向けて猛アピール中だ。プロ1年目の17歳は「自分の持ち味は視野が広くて周りをうまく使うところ。アピールを続けて今年はベンチに入って試合に出ることを目指したい」。今季中のJデビューに照準を合わせている。

北斗上磯小3年で競技を始めると、夢中になった。小学6年時にレアル・マドリードの日本キャンプに参加したことを契機にスペイン2部サバデルの育成組織から声がかかった。「ただただ(スペインで)やってみたかった」。小学校卒業を待たずに海外に飛び立った。

ホームステイをしながら語学を学び、学校に通った。1年半でスペイン語は話せるようになったが、現地の競技レベルは想像以上。「ついて行くのが精いっぱい」。フィジカル面に加え、ジュニア世代からパスサッカーが浸透している考え方や文化の違いに戸惑った。ホームシックにもなったが「がむしゃらだった」。チームメートを見て学び2年目から試合に起用されると、3年目には主将を任されるまでに成長した。

5年の武者修行を終え、昨年11月にオファーを受けて琉球に加入。通信制高に在籍しながらプロの世界で挑む。「チームで周りに認められるような選手になりたい」。まずはチーム目標のJ1昇格のために成績を残すことが最優先。その先には大きな夢がある。

沢田 夢はスペインにもう一度戻ってやりたいと思っている。日本代表にもなってみたい。【浅水友輝】