今年1月の全日本高校女子サッカー選手権で2連覇を果たし、史上最多タイ5度目の優勝を飾った藤枝順心(静岡)の多々良和之監督(56)が退任した。21日の静岡県高校新人戦決勝がラストゲーム。常葉大橘を2-0で下して18連覇を達成していた。

「悔いはない。やり切った。去年の4月に、残り1年と決めていた」と話した。19日の離任式で選手たちに退任を伝えたという。

1989年に教諭として藤枝順心(当時は藤枝南女子)に赴任。95年のサッカー部創設から指揮を執ってきた。全国屈指の強豪に成長させたが、同校初の県大会優勝の瞬間が強く印象に残っている。「(04年の)新人戦初優勝が、順心のターニングポイントになったと思う」と、感慨深げに振り返った。

今後チームは、全日本選手権で史上初の3連覇を目指す。「藤枝順心の伝統は進化すること。前人未到の記録だが、狙うにふさわしい選手たちが残っている。ぜひとも前チームよりも、進化してほしい」とエールを送った。退職後はサッカーから離れる。それでも「全国大会には応援に行く。選手には、ぜひ連れていってほしいと伝えた」と明かした。

中村翔コーチが後任を務める。