北海道コンサドーレ札幌は仙台を2-1の逆転で下し、4試合ぶり勝利を挙げた。明大から今季加入したルーキーFW小柏剛(22)が0-1の後半10分、プロ初ゴールとなる同点弾。途中出場したアタッカーの記念すべき1発が、FWジェイ(38)の勝ち越し点を呼んだ。チームは札幌厚別での今季初戦を飾り、順位を14位に浮上させた。

   ◇   ◇   ◇

5月で39歳を迎えるストライカーの嗅覚はさえていた。ジェイが決勝ゴールを決めた。後半23分から途中出場。同点のまま迎えた同43分、右CKに高く飛び上がった。頭で合わせた一撃だった。「ゴールが勝利につながったのがうれしい」。今季1号に安堵(あんど)の表情を浮かべた。

シーズンを順調に滑り出すことができなかった。1月に英国で新型コロナウイルスの陽性判定を受け来日が遅れた。来日できても今度は隔離期間中、施設が用意する食事に悩まされた。動物性食品を口にしない主義のため、食べられるのは白米だけ。「もうお米は食べたくない…」とぼやくほどだった。遅れを取り戻そうと必死だった熊本キャンプ中に右足甲を負傷。開幕前に離脱した。そんな苦労の数々を吹き飛ばすかのような豪快なゴールに「今日はいい日」と機嫌を良くしていた。