帝京長岡サッカー部、DF松村晟怜(せれ=3年)が夢のプロ入りへ、勢いを加速させている。今春、複数のJクラブへの練習に参加する。ピンチを未然に防ぐ的確なポジショニングとカバリング、左足を生かした正確なロングフィードが持ち味のセンターバック(CB)。まずは5日に始まったU-18日本代表候補トレーニングキャンプ(9日まで、福島Jヴィレッジ)で実力をアピールし、世代別の日本代表定着を狙う。

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守って攻めるレフティーが、技に磨きをかける。プロ入りを狙う松村は、2月中旬にJ1、4月下旬にJ2クラブの練習に参加。「プレー、パス、判断」といったスピード感の違いを実感したが、「相手に詰める間合いやタイミングを学べた」と手応えもつかんだ。現在は足元の技術向上に加え、1日5食の食事と尻周り強化の筋トレで筋肉量アップに着手。体重は昨年12月から4キロ増の73キロとなり、「当たり負けしなくなってきた」と早くも効果を実感している。

雨の中で行われたプリンスリーグ北信越第4節(4月29日)のアルビレックス新潟U-18戦は、セットプレーから失点。0-1で敗れたが、最後方から得意のフィードを広角に散らして攻撃を組み立てた。本業の守備でも的確な位置取りと読みの良さを発揮。気持ちのこもったプレーを見せた。「今年はボールを奪い切るところと、自分が優位にプレーできるポジショニングを取ることをテーマにしている。(プロへの)練習参加が生きている」。

J1川崎FのMF小塚和季(26)、J2京都MF谷内田哲平(19)らが背負った同校のエースナンバー「14」を今年、受け継いだ。「偉大な先輩たちに続けるよう、プロ入りに向け、努力する」。今月、再びJ1クラブへの練習に参加する予定。だが、その前にまずは現在、参加しているU-18日本代表候補合宿で自らの力を腕試しする。世代別の日本代表(U-17)初招集となった昨年12月の合宿は左膝負傷で参加を辞退しただけに今回に懸ける思いは強い。「ハイレベルの中、自分の力を示したい。代表生き残り、定着を狙う」と宣言していた。【小林忠】

◆松村晟怜(まつむら・せれ)2003年(平15)12月3日生まれ、南魚沼市出身。六日町小1年でFC大和ジュニオルスに入団しサッカーを始め、六日町中からは長岡JYFCに所属。高2の秋にMFからCBにコンバート。昨冬の全国高校選手権は全試合フル出場し、4強入りに貢献。好きな選手はDFラポルト(マンチェスターC)。182センチ、73キロ。